こころの日記

わたしを発信

【BOOK】推定少女

久しぶりに本を読んだ。

5~6年前(高校生のとき)に買った本だ。

一気読みした面白い本だったので、また読んで見ることにした。

 

推定少女 (角川文庫)

推定少女 (角川文庫)

 

どんなお話かというと、簡単にいえば、中3の女の子(主人公)が家出して、その途中で変な女の子と出会って、2人で一緒に逃げて、色々ごたごたする話。

 

この本のいいところは、子どもでもない、大人でもない、思春期特有の15歳の女の子の心情が書いてあることだ。

わたしが思ったのは、大人には大人の言い分がある様に、子どもには子どもの言い分があるということだ。たとえ、大人の言い分が正しくても、それを一方的に子どもに押し付けてはいけない。それは、子どもを傷つけて、大人への不信を募らせるだけだ。大切なのはきっと、相手の気持ちをそっくりそのまま、見ようとすることだ。耳をきちんと傾けることだ。

 

私はもう20歳を過ぎてて一応大人で、思春期も終わっているんだろうけど、こういう、 あの頃特有の気持ちとか、葛藤とか、苛立ち、不安、絶望、やるせなさ、大人になりたくないと考えたこと、忘れないようにしたいと思った。大人からすれば、こういう悩みって、「ああ、そういうお年頃だもんね。あるある。かわいいなぁ~」とか、「大人になったら、大人の気持ちも分かるよ。」「子どもだなぁ。」みたいな感じに、とても簡単に片付けられてしまうと思う。でも私は簡単には片付けなくない。だって、大人は全員、思春期特有の気持ちとか、反抗期とかを体験して、今の自分があるのだろうから。もう済んだことだからって、あの頃の苦しんだ自分を忘れてはいけない。思春期だったあの頃の自分に、とても失礼だと思う。

 

こんなことを書いているが、正直、22歳の私でも、よく忘れてしまう。中高生を見ると、「若いな~、いいな~、あの頃に戻りたいな」と思ってしまう。でも中高生の時は中高生の時で、それなりに苦しいことがあった。楽しいことより、苦しいことの方が多かったかもしれない。それなのに、あの頃は良かったよな〜と思ってしまう。苦しかったあの頃の自分を忘れてしまうんだと思う。

 

別に苦しさを常に覚えておくべきだと言っているわけではない。

ただ、思春期ならではの悩みを持っいたり、反抗期だったりで苦しんでいる人が目の前にいたら、「ふふ、可愛いなあ」と大人である自分に浸るわけでもなく、「バカだなぁ」とあきれるわけでもなく、鼻で笑ったりもせず、ましてや大人同士の話のネタにしてケラケラ笑い話にせず、過去の苦しんだ自分が目の前にいるのだと、思うことできる人でありたいなぁと思う。でもきっとそれは、難しいことで、私がまだちゃんと大人になりきれてないから思うことかのかなぁとも思う。

 

この本のレビューを見ると、中高生向けの本だ、とあった。そうなのかもしれない。大人が見ると、やっぱり主人公たちの悩みが子ども過ぎて、面白くないのかもしれない。

でも、それでも私は、大人にも読んで欲しいと思う。そして過去に苦しんだ自分を思い出して欲しい。私も時々読み返して、思い出そうと思う。